東京メトロ銀座一丁目駅に近い銀座通り沿いにポーラミュージアムアネックスがあります。ここではポーラ美術館が所蔵するマティス作品のちょっとした展覧会が開催されていました。『マティス ― 色彩を奏でる』展です。
銀座一丁目駅の7番出口を出てすぐのポーラ銀座ビルが会場です。入り口右側にあるエレベーターで3階に昇ります。目の前のガラスに展覧会の表示があり、ここで間違いありません。奥まで進むと係りの人がいましたが主に音声ガイドを予約していた人の受付でした。そのまま右側に進むことができ、コンパクトなエリアにマティス作品が並んでいました。
正面には、そこだけ薄いオレンジ色が施された壁があり《リュート》が掲げられていました。この展示会のポスターにも使われていた作品です。床の絨毯と壁、テーブルが濃い朱色で、テーブルの上の花瓶に生けられた葉っぱが濃い緑色です。隣には白のベースにパープルで裾と生地の模様が施されたドレスを纏った女性が椅子に座り、黄色いリュートを弾いています。色の鮮やかさが強調された作品で、マティスがフォービズム、野獣派と呼ばた理由がわかるような気がします。
マティスは晩年、版画集《ジャズ》を発表しています。270部限定で、その1部をポーラ美術館が所蔵していました。
昨年2023年に東京都美術館でパリのポンピドゥーセンター/国立近代美術館が所蔵する作品を中心としたマティス展が開催されました。所蔵ジャズ3部のうちの1部が来日して展示されました。また、今年2024年始めには国立新美術館でニースのマティス美術館の所蔵作品を中心としたマティス展が開催され、そこでもジャズが掲げられていました。どちらもジャズ20作品がすべて掲げられていたのですが写真撮影は許されていませんでした。それがこの展覧会では撮影可能となっていました。記憶だけでなく写真をもう一度見てジャズの作品を思い起こすことができます。うれしい展覧会でした。
マティス―色彩を奏でるは10月27日までの開催です。
(2024年10月26日)